デパス 睡眠薬。 デパスの睡眠薬としての効果

脳神経内科専門医が伝える、デパス(一般名:エチゾラム)の使い方

デパス 睡眠薬

1.デパスの依存のなりやすさ デパスをはじめとしたベンゾジアゼピン系には、全て依存性があることが知られていますが、依存形成のしやすさはお薬によってそれぞれ違います。 デパスにも依存性は認めます。 そしてその程度はベンゾジアゼピン系の中でも 「多め」だと考えられています。 そのため、デパス服用中の方は依存にならないよう、注意しながら服薬をする必要があります。 依存というのは、その物質(ここではデパスのこと)が無いと落ち着かなくなってしまい、常にその物質を求めてしまう状態です。 アルコール依存であれば、アルコールが無いと落ち着かず常に飲酒してしまう状態、ゲーム依存だったら、ゲームをしていないと落ち着かずにゲームが手放せなくなってしまう状態のことです。 デパスの依存とは、デパスに頼り切ってしまい、手放せず、いつまでたっても服薬を止められない状態のことです。 ベンゾジアゼピン系依存の生じやすさは、• 効果が強いほど生じやすい• 服薬期間が長いほど生じやすい• 服薬している量が多いほど生じやすい と言われています。 効果が強いと、「効いている!」という感覚が得やすいので、つい頼ってしまいやすくなり、依存しやすくもなります。 半減期が短いとお薬がすぐに身体から抜けてしまうので服薬する回数が多くなり、これもまた依存しやすい原因となります。 また、飲んでいる期間・量が多ければ多いほど、身体がどんどんお薬に慣れきっていくため、依存に至りやすいのです。 デパスは、抗不安作用が強く、また半減期も約6時間前後と短めです。 また他の抗不安薬は1回の診察で30日以上の処方が出来ないという処方制限がかかっていますが、デパスは1回の診察で90日まで処方できるため、長期間の服用になりやすい傾向があります。 これらの特徴から、デパスの依存性は高めであると考えられます。 そのため、服薬期間や服薬量を適宜見直しながら、 漫然と飲み続けないように気を付けて使っていく必要があります。 2.依存にならないために気を付ける事 アルコール依存の方が、アルコールをやめるのはかなり大変です。 何とかやめれたとしても、多くの方はしばらく経つとまたアルコールを飲んでしまいます。 一度依存になってしまうと、そこから抜け出すのはかなりの労力を要するのです。 そのため、依存になってから焦るのではなく、「依存にならないように注意する」という予防が何よりも大切になります。 依存にならないためには、どんなことに気を付ければいいでしょうか。 先ほど、依存になりやすい特徴をお話ししましたね。 復習すると、• 効果が強いほど生じやすい• 服薬期間が長いほど生じやすい• 服薬している量が多いほど生じやすい でした。 これと反対のことを意識すれば、依存は生じにくくなると言えます。 つまり、• 効果が弱い抗不安薬を選択する• 半減期が長い抗不安薬を選択する• 服薬期間はなるべく短くなるようにする• 服薬量をなるべく少なくなるようにする ということです。 ひとつずつ、詳しく説明しましょう。 仮に、あなたの不安感が数値で「5」であったとして、「10」の強さがある抗不安薬を服薬していたとしたら、それは強すぎです。 「5」の強さの抗不安薬で充分ですよね。 もちろん、弱めすぎる必要はありません。 「5」の強さの不安があるのに、「2」の強さしかない抗不安薬を使っていたら症状が取れません。 これでは苦しいですし症状が取れないから病気もいつまでも治りません。 この場合はもちろん強めて構いませんが、必要以上に強いお薬を使うのはよくない、ということです。 一般的にデパスの抗不安作用は強力です。 強い不安感がある時に、デパスでしっかりと不安を取ってあげるのは良いのですが、不安が軽くなってきているのに、いつまでも強めのデパスを漫然と続けるのは良くありません。 主治医と相談しながら定期的に「より弱い抗不安薬に切り替えられないか」と検討することは依存を生じさせないために大切です。 半減期というのは、そのお薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、そのお薬のおおよその作用時間の目安として用いられています。 一般的に半減期が短いお薬というのは、すぐに効き、すぐに効果がなくなります。 すぐ効くため「効いてきた!」という実感を得やすいので、つい頼ってしまいやすくもあります。 また、すぐに効果が消えてしまうため、何度も服薬をしてしまいがちです。 反対に半減期の長いお薬は、ゆっくり効いてきて、ゆっくり身体から抜けます。 じわじわ効いてくるため「効きがよく分からない」というのがデメリットですが、依存にはなりにくいというメリットがあるのです。 デパスの半減期は約6時間と、抗不安薬の中でも短い部類になります。 可能であれば、徐々に半減期の長い抗不安薬に切り替えていけると、依存にはなりにくくなるでしょう。 ベンゾジアゼピン系は1か月で依存性が形成される、と指摘する専門家もいます。 もちろん種類や量によるので一概には言えませんが、長期間飲めば依存形成が生じやすくなるのは間違いありません。 病気の症状がつらく、抗不安薬が必要だと判断される期間に服薬をするのは問題ありません。 この期間は、病気の症状を取ってあげるメリットと依存形成のデメリットを天秤にかけて メリットの方が大きいと判断されれば、服薬はすべきです。 しかし、良くなっているのにいつまでも「なんとなく」「やめるのも不安だから」という理由で服薬を続けるのは注意です。 基本的に抗不安薬は、ずっと飲むものではありません。 症状が特につらい期間だけ服薬する「一時的な補助薬」だという認識を持ちましょう。 症状や病気が改善してきたら定期的に主治医と「量を減らせないだろうか?」と検討してください。 しかし、服薬量が多ければそれだけ依存になりやすくなります。 服薬量は、必ず主治医が指定した量を守ってください。 医師は依存性のリスクも常に念頭に置きながら服薬量を決めています。 それを勝手に2倍飲んだり3倍飲んだりすれば、急速に依存が形成されてしまいます。 また、症状や病気が改善してきたら定期的に「抗不安薬の量を減らせないだろうか?」と検討してみてください。 3.依存を過剰に怖がるのも問題 抗不安薬や睡眠薬の依存は社会問題にもなっており、しばしば新聞などのメディアでも取り上げられています。 そのためか、最近は依存性を過剰に怖がって、「依存が怖いから精神科のお薬は一切飲みたくありません!」と言う方もいらっしゃいます。 もちろんお薬を飲まないで治るのであれば、飲まないに越したことはありません。 しかし、診察した医師が「お薬を使った方が良い」と判断する状態なのであれば服薬は前向きに検討してみてください。 服薬した方が総合的なメリットは高い、と判断したから主治医はそのように言っているのです。 精神科のお薬を飲むと絶対に依存になると怖がる人がいますが、そんなことはありません。 むしろ、医師の指示通りの量を、決められた期間だけ服薬していただけであれば、依存にならない人の方が圧倒的に多いのです。 依存になるのは、医師の指示を守らずに• 勝手に量を調節してしまう• 医師が減薬を勧めても、「薬をやめるのが不安」と現状維持を希望する• 定期的に来院せず、服薬も飲んだり飲まなかったりバラバラ などの方がほとんどです。 依存形成を起こす身近な物質にアルコールがありますが、「アルコール依存になるのが怖いから、飲み会は欠席します!」という人はいないと思います。 アルコールに依存性があることは多くの方が知っているはずですが、なぜアルコールは怖がらないのでしょうか? それは、アルコールは依存にはなる可能性がある物質だけど、 適度な飲酒を心掛けていれば、依存になることなどないからです。 そしてほとんどの人は節度を持った飲酒が出来ており、依存になりません。 アルコール依存になるのは、• 度を越した飲酒をし続ける人• 周囲や医師が「飲酒を控えて」とアドバイスしても聞かない人 ですよね。 アルコールだって、抗不安薬だってその点は同じです。 アルコールは依存なんて気にせず飲むのに、抗不安薬になると「依存になる!」と過剰に怖がるのは、私たち専門家から見るとなんだか不思議に感じます。 アルコールとベンゾジアゼピン系抗不安薬のどちらが依存性が強いか、というのは研究によって様々な結果が出ていますが、おおむねの印象としては 「ほぼ同等か、アルコールの方が若干強い」と思われます。 もちろんお薬を飲まないに越したことはないのですが、必要がある期間はしっかりと内服することも大切です。 そして専門家である医師の指示をも守って、必要な期間・必要な量だけ服薬するのであれば、依存は過剰に怖がるものではありません。 【メンタルヘルス向上のヒント】 【こころの病気】 - - - - -恐怖症 -- -- -- -- -- - - - - - - 【こころと身体の病気】 【お薬()】 - - -- -- -- - --超短時間型 --- --短時間型 --- --- --- --- --中時間型 --- --- --- --- --- --- --長時間型 --- --- -メラトニン受容体作動薬 -- -オレキシン受容体拮抗薬 -- -三環系抗うつ剤 -- -- -- -- -- -四環系抗うつ剤 -- -- - -- -- -- -- -- - -- -- -- - -- -- -その他 -- -- -- () - - - - - - - - - - - - - - 抗精神病薬 - -- -- -第2世代抗精神病薬 -- -- -- -- -- -- -- -- -- - - - - - ADHD治療薬 - 抗酒薬 - 漢方薬 - - - - 向精神薬の副作用 - - - 【精神科への受診】 【こころの検査】 【治療法】 【精神疾患と取り巻く制度】.

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デパスの依存性とその強さ【医師が教える抗不安薬のすべて】

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薬局に並んでいるのは副作用が軽い睡眠改善薬だが、それでも購入にあたり「一人1個」などの制限がある 厚労省が精神障害を認めた 「地下鉄で現場に向かっていたんだけど、服が汚れたのでキャンセルします」 都内の芸能事務所に所属する癒やし系タレント 21 がここ最近、耳を疑うような理由で仕事をドタキャンするようになった。 それだけではない。 ヘアメイクをしてもらっている間にヨダレを垂らして寝てしまったり、突然、「こんな仕事やってられねえよ!」と怒鳴り声をあげたり、明らかに自分をコントロールできなくなっているのだ。 これでは仕事にならない。 担当マネージャーが問い詰めると、豹変の裏にクスリの存在があることがわかった。 「睡眠導入剤の『デパス』です。 もう数年にわたって服用していたらしいのですが、効きが悪くなったとかで、ここ最近は飲む量を増やしていたそうです……」 デパスに代表されるベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤の服用を原因とした、深刻な副作用が次々と報告されているのをご存じだろうか。 睡眠導入剤は「脳の機能を低下させて眠気を誘うもの」と「自然な眠気を強化するもの」の二つに大別される。 ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤は「脳の機能を低下させるタイプ」で、催眠作用のほか、抗不安作用もあることから、最もポピュラーな睡眠薬となっている。 『ハルシオン』や『セルシン』、『ドラール』など数種類あるが、代表的なのがデパス(一般名エチゾラム)だ。 デパスは田辺三菱製薬が開発。 コカインやヘロインと同様に規制対象となったのである。 添付文書を改訂するよう、日本製薬団体連合会に通知した。 発売以来、30年にわたって「普通薬」として販売され、ジェネリック薬も多数売られている睡眠導入剤はこうして、〝麻薬〟と同列となった。 本誌の取材に厚労省医薬・生活衛生局はデパスを名指しして「精神障害の原因」と断じた。 「入院施設がある精神科病院で薬による精神障害の実態を調査したところ、処方薬の乱用で精神障害を受けたであろうという原因薬剤がデパスと考えられることから、向精神薬に指定となりました」 すべての服用者にリスク このクスリの恐ろしさは、医師の指示通りに服用しても依存症になってしまう点にある。 やめようにも「離脱症状」と戦わねばならなくなる。 服用量を急激に減らしたり、中止することで痙攣 けいれん 発作、せん妄(時間や場所がわからなくなる、論理的な会話ができないなどの症状)、不眠、幻覚、妄想などに襲われるのだ。 この男性はデパスを3年にわたって服用していたが、服用をやめたところ、意識消失、痙攣、朦朧 もうろう 状態などの重い副作用が出たという。 しかも、離脱症状は長期服用しているすべての人に起こる可能性があるという。 『ブレインケアクリニック』の今野裕之名誉医院長に話を聞いた。 「どのくらい飲めば依存症になるかは個人差がありますが、数ヵ月、毎日服用しているような人は要注意です。 薬に耐性ができるので、効果を求めて服用量を増やしてしまう人も出てくる。 この段階になると、急に服用を中止することで離脱症状が起こる可能性が高い。 数ヵ月から年単位の時間をかけて、少しずつ薬を減らしていく必要があります」 海外ではベンゾジアゼピン系睡眠導入剤が認知症リスクを高めるという指摘もある。 高齢者を対象に服用者と、非服用者にわけて追跡調査した結果、認知症のかかりやすさに有意な差があったとする研究が存在するのだが、今野医師は「明確な答えは出ていない」と話す。 「ただ、高齢者がデパスを飲むことによって、せん妄を発症する可能性が高まることは事実です。 処方は慎重に行う必要があります」 北里大学医学部精神科の宮岡等主任教授は、先の薬事・食品衛生審議会で次のように発言している。 「この薬剤に関する危険性の認識には、医者ごとに温度差がある。 (中略)高齢者の方に寝る前に安易にデパスが出ているというようなことがよくある」 薬剤師である私も医師のモラルに大きな差があることを痛感している。 向精神薬となったデパスには30日の処方制限がついた。 一例であるが、それまで一日1回、一回につき1錠服用していた患者ならば「30日で30錠」の処方となる。 ところが処方制限の実施以降、患者の求めに応じて「一日3回、一回2錠」などと多く処方する医師が散見されるのだ。 これでは処方制限の意味がない。 患者、薬、医師の歪んだトライアングルが睡眠導入剤依存の被害者を生み出しているのである。 『デパス』、『ハルシオン』などのベンゾジアゼピン系睡眠導入剤には用量を守っても依存症となるリスクがある 『FRIDAY』2020年1月3日号より• 取材・文:吉澤恵理 (薬剤師・医療ジャーナリスト)• 写真:朝日新聞社(2枚目).

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デパス(エチゾラム)の効果と副作用。強い抗不安作用と睡眠作用

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睡眠導入剤を処方されている方、服用している方は少なくありません。 なぜ眠くなるのか、その効果と副作用、依存性についても正しく理解しておくことが大切です 不眠症状に悩まされている方を始め、睡眠導入剤を処方されている方や服用している方は、少なくないと思います。 代表的な薬として「エチゾラム」「デパス」などの名前がよく挙げられますが、実はこの2つは名前こそ違いますが、同じ治療薬です。 エチゾラムは物質名で、デパスはその商品名の1つです。 今回はこうした紛らわしい問題も含め、代表的な睡眠導入剤の一つであるエチゾラムの効果について、依存性や副作用などに関するありがちな誤解、よくある疑問への回答も含め、詳しく解説していきたいと思います。 エチゾラムの(デパス)作用機序……中枢神経系をスローダウンさせる薬物 エチゾラムは、化学物質としては、他の一般的な睡眠導入剤そして抗不安薬である「ベンゾジアゼピン」と呼ばれる化学物質の分子構造と類似しています。 それゆえエチゾラムは一般にベンゾジアゼピンの仲間の一つと見なされています。 作用も、基本的にはこのグループを代表するベンゾジアゼピンと類似していますので、長年詳しく研究されてきたベンゾジアゼピンの作用から、重要なポイントを述べていきます。 ベンゾジアゼピンは中枢神経系に作用する薬物群のなかでは、中枢神経系の機能を抑制する、言葉を変えれば「中枢神経系をスローダウンさせる」タイプの代表的な薬の一つです。 その薬理作用は脳内の神経伝達に関わる、神経細胞内では「受容体」と呼ばれる結合部位に結合することで現れてきます。 この受容体自体はこの化学物質が結合することから、一般にベンゾジアゼピン受容体と呼ばれています。 そして、その一つ一つの位置や機能に応じて、いくつかサブタイプもあります。 ベンゾジアゼピンは中枢神経系の機能をスローダウンさせるため、口から体内に入って吸収され、脳内の所定の結合部位に結びつくと、効果が現れてきます。 具体的には眠気を催す、あるいは気持ちが楽になる等の変化が現れます。 その効果の出方、効き具合は、皆が同じでない点は注意したいところです。 それは一人ひとりの身体状態や生理機能などの違いが大きいためとも言えます。 例えば血液量は体重に相関しますので、体の大きな人と小柄な人では、同じぐらいの量を服薬しても血液中の濃度に差が出やすくなります。 これらも、薬の効き目に個人差が出てくる要因になります。 以下ではまず治療薬の一般的な効き目を理解するポイントの一つである「血中半減期」を説明します。 薬の用途を決める重要なファクターである「血中半減期」とは 血中半減期とは、治療薬の血中量が半分になるまでの時間を指します。 例えば、半減期が仮に1時間として、そのある時点で血液中の濃度が最大になったとします。 半減期は1時間ですので、それから1時間後には、血中濃度は最大時の半分になります。 さらに1時間たてば、そのまた半分になるので、最大時の4分の1です。 そしてさらにまた1時間たてば、そのまた半分になり、最大時の8分の1になってしまいます。 血中濃度が最大になるタイミングは、通常、薬の効き目が最大になるときでもあります。 半減期が上記のように1時間ならば、3時間後には、血中濃度が8分の1ほどになっているわけで、薬の効き目も随分落ちることになります。 もし仮に眠気を催す効果が期待できる薬ができたとしても、3時間もたてば薬の効果が得られなくなってしまう場合、睡眠導入剤としての用途にはあまり適さなくなってしまいます。 一方、半減期が仮に48時間と長い場合、服用して眠っても、朝起きた時はまだ8時間ぐらいしかたっていません。 まだその治療薬と効果が血液中に充分残っていることになります。 それゆえに朝起きた時に眠気が強すぎる可能性もあり、長い半減期もまた睡眠導入剤の用途にはあまり適していないと言えます。 このように睡眠導入剤として使用するためには、半減期が短すぎてもダメ、長すぎてもダメなのです。 これに対して、エチゾラムの半減期は6時間前後。 睡眠導入剤として使用するには望ましい半減期の薬だと言えます。 睡眠導入剤の代表的なものとして処方されることが多いのは、このためでもあります。 エチゾラム(デパス)の副作用……眠気や脱力感から、悪性症候群まで どんな治療薬であれ、薬を服用するときには副作用も気になるものです。 ここで注意しておきたいことは、副作用は決して治療薬の落ち度だと言えない面もあることです。 エチゾラムの場合、脳内の所定の受容体に結合することで、眠気が生じる、あるいは気持ちが楽になるといった効果を期待していますが、この薬が結合できる受容体は脳内のその受容体だけとは限りません。 もし他の受容体に結合すれば、本来期待していない作用が副作用として現れることになります。 また、ターゲットとしている受容体の関わる機能自体も「眠気が生じる」「気持ちが楽になる」といったたぐいだけではないので、本来期待していない作用が副作用として現れる可能性もあります。 副作用に関してはそれほど深刻ではない、言わばおだやかなレベルで、服薬中の数%の人に現れるような問題と、かなり深刻で緊急に対処すべき問題だが、その頻度自体はかなり稀なものの2つに分けて考えると、分かりやすいかもしれません。 エチゾラムの副作用の場合、まず数%の人に現れるかもしれないタイプのものとしては、「昼間に眠気が残る」「体がふらつく」「体に力が入らない」などが挙げられます。 一方、頻度自体はかなり稀なものの緊急性の高い副作用としては、高熱を発するような「悪性症候群」と呼ばれる問題などが挙げられます。 エチゾラム(デパス)を飲み続けると依存症になる可能性は高いのか低いのか? 一般に中枢神経系に作用する薬物のなかには、その薬物の種類によっては、依存症の原因物質になり得るものがあります。 エチゾラム、デパスなどのベンゾジアゼピン系の薬物もそれに該当する薬物です。 こうした睡眠導入剤が関わる依存症のリスクをよくおさえるためには、依存症に関する基本的な知識を頭に入れておくことが大切です。 まずは「耐性」「離脱症状」「身体依存」といった依存症に関わる基本的なキーワードについて、理解しておきましょう。 これらは基本的には中枢神経に作用する依存症の原因物質を、「過剰に」「長期間」摂取することで、体の生理機能が変化して現れてくる問題です。 まず、耐性という語は、その薬物を長期に過剰に摂取した際、体の生理機能に変化が起こり、それまで通りの用量ではそれまで通りの効き目が現れなくなる現象を意味します。 それが睡眠導入剤の場合、それをある程度の期間、過剰に服用すれば、その薬に対して耐性が生じる可能性もあり、それまでと同じ用量ではそれまで通りに眠れなくなる可能性もあります。 次に離脱症状とは、その依存症の原因物質を長く過剰に摂取した際、体の生理機能に変化が起こり、その物質が何かの折に体に入ってこなくなると、心身に現れてくる不快な、そして、時にかなり深刻な症状を意味します。 それが睡眠導入剤の場合、それをある程度の期間、過剰に摂取すれば、体の生理機能に変化が起こり、何かの折にそれが体に入ってこなくなると、離脱症状が現れる可能性があります、たとえば家にその薬を忘れて旅行に行ってしまったような際、旅行先でかなり強いイライラ感に悩まされたり、場合によっては手先が震え出すような可能性もあります。 そして最後の身体依存とは、その薬を長く過剰に摂取したため、体の生理機能に変化が起こり、上記の耐性や離脱症状のような問題がはっきり現れるようになった状態を指します。 そしてもし身体依存が深刻化していれば、その時点で依存症と診断できるレベルになっている可能性もあります。 ただこの問題に関しては、どうしてその薬を過剰に長期間服用するような状況が生じるのかといった面から考えてみると、依存症の問題点が違った角度から見えてくるかもしれません。 その要因が依存症のリスク要因でもありますが、例えば何らかの深刻な状況で、心理的にも生活面でも何らかの悪循環に入ってしまったことが、その薬の過剰な長期間服用の背景にあることも少なくありません。 そして深刻な状況には誰でも思いがけず直面する可能性もあることなので、依存症のリスクを遠ざけるためにも悪循環に入らないように注意することが大切です。 そして最後に、治療薬に関する疑問点は何でも基本的には処方された主治医に尋ねられるのが一番です。 もし気軽に薬について尋ねることが苦手という方は、ぜひ治療薬に関する不安や疑問も、克服したい症状や問題のリストの中にでも入れて、その都度尋ねてみる習慣を作ってみてください。

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