天の羽衣 現代語訳。 竹取物語/かぐや姫【あらすじ・現代語訳・簡単な要約・読書感想文・解説】

竹取物語『天の羽衣・かぐや姫の昇天』現代語訳(1)

天の羽衣 現代語訳

天の羽衣 現代語訳 天からの使者の1人が、箱を持っていました。 この箱には天の羽衣が入っています。 また別の箱には不老不死の薬が入っていました。 使者の1人が、かぐや姫に向かって言います。 「薬をお飲みになってください。 長い間このように汚いところにいらっしゃったので、きっと気分が悪いことでしょう。 」と かぐや姫は少しそれをなめてから、(薬を)形見にと思い、先ほど脱いだ着物に包もうとしますが、天からの使者はそれをさせません。 天の羽衣をかぐや姫に着させようとしたところ姫は、 「ちょっと待って。 聞くところによると、この天の羽衣を身にまとうと、心が変わってしまうらしい。 1つ言っておくべきことがありました。 」 と言って、手紙を書き始めました。

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天の羽衣・竹取物語 現代語訳・品詞分解ひと目でわかる

天の羽衣 現代語訳

「黒=原文」・ 「青=現代語訳」 解説・品詞分解はこちら 立てる人どもは、装束(しょうぞく)のきよらなること、ものにも似ず。 飛ぶ車一つ具(ぐ)したり。 羅蓋(らがい)さしたり。 (空中に)立っている人たちは、衣装が華やかで美しいことは、比べるものがない。 空を飛ぶ車を一台用意している。 (車には)薄絹を張った傘をさしかけてある。 その中に、王とおぼしき人、家に、「造麻呂(みやつこまろ)、まうで来(こ)。 」と言ふに、猛(たけ)く思ひつる造麻呂も、ものに酔ひたる心地して、うつぶしに伏せり。 その中に王と思われる人が、家に向かって、「造麻呂(みやつこまろ・かぐや姫の育ての親である翁(おきな))、出て参れ。 」と言うと、意気込んでいた造麻呂も、何かに酔った気分になって、うつ伏せに伏した。 いはく、「汝(なんぢ)、幼き人。 いささかなる功徳(くどく)を、翁(おきな)つくりけるによりて、汝が助けにとて、かた時のほどとて下ししを、そこらの年ごろ、そこらの黄金賜(たま)ひて、身を変へたるがごとなりにたり。 (その王と思しき人が)言うには、「お前、愚かな者よ。 わずかばかりの善行を、翁が積んだので、お前の助けにと、ほんのわずかな期間と思って(かぐや姫を下界である地上へ)下したが、長年の間、(天が翁に)多くの黄金をお与えになり、別人に変ったように(裕福に)なった。 かぐや姫は罪をつくりたまへりければ、かく賤しきおのれがもとに、しばしおはしつるなり。 かぐや姫は罪をお作りになったので、このように身分の賤しいお前のもとに、しばらくの間いらっしゃったのである。 罪の限り果てぬれば、かく迎ふるを、翁は泣き嘆く。 あたは ぬことなり。 はや返したてまつれ。 」と言ふ。 罪を償う期限が終わったので、こうして迎えるのをお前は泣いて嘆き悲しむ。 (それでも、かぐや姫を引きとめることは)できないことだ。 早くお返しなさい。 」と言う。 翁答へて申す、「かぐや姫を養ひたてまつること二十余年になりぬ。 『かた時』とのたまふに、あやしくなりはべりぬ。 翁が答えて申し上げるには、「かぐや姫を養い申し上げること二十年あまりになりました。 (それなのにあなたは)『かた時(わずかな期間)』とおっしゃるので、疑問に思いました。 また異所(ことどころ)にかぐや姫と申す人ぞおはすらむ。 」と言ふ。 また別の所にかぐや姫と申す人がいらっしゃるのでしょう。 」と言う。 「ここにおはするかぐや姫は、重き病をしたまへば、え出でおはしますまじ。 」と申せばその返りごとはなくて、 「ここにいらっしゃるかぐや姫は、重い病気にかかっていらっしゃるので、出ていらっしゃることができないでしょう。 」と(翁が)申し上げると、その返事はなくて、 屋(や)の上に飛ぶ車を寄せて、「いざ、かぐや姫、穢(きたな)き所に、いかでか久しくおはせむ。 」と言ふ。 屋根の上に空飛ぶ車を寄せて、「さあ、かぐや姫、けがれたところに、どうして長い間いらっしゃるのですか。 (帰りましょう。 )」と言う。 立て籠めたる所の戸、すなはちただ開きに開きぬ。 格子どもも、人はなくして開きぬ。 嫗(おうな)抱きてゐたるかぐや姫、外に出でぬ。 (すると、不思議なことに、)閉めていた部屋の戸が、すぐにすっかり開いてしまった。 格子なども、人がいないのに開いてしまった。 媼(お婆さん)が抱いていたかぐや姫は、外に出てしまった。 えとどむまじければ、たださし仰ぎて泣きをり。 (媼は)とどめることが出来そうもないので、ただ(かぐや姫を)仰ぎ見て泣いている。 竹取心惑ひて泣き伏せる所に寄りて、かぐや姫言ふ、「ここにも心にもあらでかくまかるに、昇らむをだに見送りたまへ。 」と言へども、 竹取の翁が心を乱しているところに近寄って、かぐや姫が言うことには、「私においても、心ならずもこのように(月の世界に)帰るのですから、せめて空へ昇るのを見送りなさってください。 」と言うけれども、 「なにしに悲しきに見送りたてまつらむ。 我をいかにせよとて、捨てては昇りたまふぞ。 具して率(ゐ)ておはせね。 」と泣きて伏せれば、御心惑ひぬ。 (翁は)「どうして悲しいのにお見送り申し上げようか。 私をどのようにしろと言って、見捨てて昇天なさるのですか。 一緒に連れてお行きになってください。 」と泣き伏しているので、(かぐや姫の)お心が乱れてしまった。 「文を書き置きてまからむ。 恋しからむ折々、取り出でて見たまへ。 」とて、うち泣きて書く言葉は、 「手紙を書き残して参りましょう。 (私を)恋しく思う折々に、取り出してご覧ください。 」と言って、泣いて書く(かぐや姫の手紙の)言葉は、 「この国に生まれぬるとならば、嘆かせ奉らぬほどまで侍らむ。 「この国に生まれたというのならば、(あなたを)嘆かせ申し上げないときまでおそばにいるでしょう。 過ぎ別れぬること、返す返す本意(ほい)なくこそおぼえ侍れ。 (なので、こうして)去り別れてしまうことは、返す返すも残念に思われます。 脱ぎ置く衣を、形見と見給へ。 月の出でたらむ夜は、見おこせ給へ。 脱いで置いていく衣を私の形見としてご覧ください。 月の出ているような夜は、(私のいる月を)ご覧ください。 見捨て奉りてまかる空よりも、落ちぬべき心地する。 」と書き置く。 (あなたを)見捨て申し上げて参る空から、(悲しみのあまり)落ちてしまいそうな心地がします。 」と書き残す。 続きはこちら lscholar.

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千年の日本語を読む【言の葉庵】能文社: 第九回 謡曲『羽衣』クセを完全読解する。

天の羽衣 現代語訳

「竹取物語:天の羽衣・かぐや姫の昇天(天人の中に、持たせたる箱あり。 )〜後編〜」の現代語訳 もはや誰もかぐや姫をとどめることはできない。 泣き伏す翁を見て、姫も泣きながら手紙を書く。 「脱ぎ置く衣を私の身代わりと思ってご覧ください。 あなた方を思うと、空から落ちてしまいそうな気がします。 天人の中に、持たせたる箱あり。 天人の中(のある者)に、持たせている箱がある。 天の羽衣入れり。 (その中に)天の羽衣が入っている。 またあるは、不死の薬入れり。 もう一つの箱には、不死の薬が入っている。 一人の天人言ふ、「壺 つぼなる御 おほん薬奉れ。 きたなき所の物聞こし召したれば、御心地悪 あしからむものぞ。 」とて、持て寄りたれば、いささかなめ給ひて、少し、形見とて、脱ぎ置く衣 きぬに包まむとすれば、在る天人包ませず。 一人の天人が言う、「壺にあるお薬を召し上がれ。 穢れた人間界の食べ物を召し上がったので、ご気分が悪いことでしょうよ。 」と言って、(壺を)持ってそばに寄ってきたので、(かぐや姫は)ほんのちょっとおなめになって、少し、形見として、脱いで置いておく着物に包もうとすると、その場にいる天人が包ませない。 御衣 ぎょいを取り出でて着せむとす。 (天人が)お着物(=天の羽衣)を取り出して(かぐや姫に)着せようとする。 その時に、かぐや姫、「しばし待て。 」と言ふ。 その時、かぐや姫が、「ちょっと待ちなさい。 」と言う。 「衣着せつる人は、心異 ことになるなりといふ。 もの一言、言ひ置くべきことありけり。 」と言ひて、文書く。 「天の羽衣を着せられた人は、心が人間世界の人と違ってしまうといいます。 (心が変わらないうちに)一言、言い残しておかなければならないことがあったのですよ。 」と言って、手紙を書く。 天人、「遅し。 」と心もとながり給ふ。 天人は、「遅くなる。 」と待ち遠しがり(せき立て)なさる。 かぐや姫、「もの知らぬこと、なのたまひそ。 」とて、いみじく静かに、朝廷 おほやけに御文奉り給ふ。 かぐや姫は、「ものの道理を解さないことを、おっしゃいますな。 」と言って、たいそう静かに、帝にお手紙を差し上げなさる。 あわてぬさまなり。 (いかにも)落ち着いた様子である。 「かくあまたの人を賜ひて、とどめさせ給へど、許さぬ迎へまうで来て、取り率 ゐてまかりぬれば、口惜しく悲しきこと。 宮仕へ仕 つかうまつらずなりぬるも、かくわづらはしき身にて侍れば。 心得ず思 おぼし召されつらめども。 心強く承らずなりにしこと、なめげなる者に思し召しとどめられぬるなむ、心にとまり侍りぬる。 」とて、 「このように大勢の人をお遣わしくださって、(月の都に帰る私を)お引きとめなさいますけれども、(どうしてもとどまることを)許さない迎えがやって参りまして、私をつかまえて(月の都へ)行ってしまいますので、残念で悲しいこと(でございます)よ。 (とうとう)宮仕えをいたしませぬままになってしまったのも、このように複雑な事情のある身の上でございますので。 納得できないとお思いになっておられるでしょうが。 (宮仕えを)強情にお受けせずに終わってしまいましたことを、無礼な者だとお心にとどめられてしまいましたことが、心残りになっております。 」と書いて、 今はとて天の羽衣着る折ぞ君をあはれと思ひ出でける 今はもうお別れだと、いよいよ天の羽衣を着る時になって、(今更のように)あなた様のことをしみじみと懐かしく思い出すことでございます。 とて、壺の薬添へて、頭中将 とうのちゆうじやう呼び寄せて、奉らす。 と詠んで、壺の中の(不死の)薬を添えて、頭中将を呼び寄せて、(帝に)献上させる。 中将に、天人取りて伝ふ。 中将には、天人が(かぐや姫から)受け取って手渡す。 中将取りつれば、ふと天の羽衣うち着せ奉りつれば、翁を、いとほし、かなしと思しつることも失 うせぬ。 中将が受け取ったので、(天人が)さっと天の羽衣をお着せ申し上げたところ、(姫は)翁を、ふびんだ、いとしいとお思いになっていたことも消え失せてしまった。 この衣着つる人は、物思ひなくなりにければ、車に乗りて、百人ばかり天人具して、昇りぬ。 この羽衣を着た人(=かぐや姫)は、人間世界の一切の悩みがなくなってしまったので、(今はすっかり天人の心になりきって、空を飛ぶ)車に乗って、百人ばかりの天人を引き連れて、天に昇ってしまった。 その後、翁夫妻は悲嘆のあまり病の床についた。 一方、姫が昇天したことを聞いた帝の嘆きも深く、不死の薬に手紙を付け、それを天に近い山の頂で燃やすよう命じた。 命を受けた使者は、駿河 するが国にある山へ多くの兵士を連れて登った。 このことから、その山を富士山さんと名付けたのである。 そして、焼いた煙は、今も雲の中へ立ち上っているという。 出典 竹取物語 参考 「国語総合(古典編)」東京書籍 「教科書ガイド国語総合(古典編)東京書籍版」あすとろ出版.

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