ジャン グラミング。 安田式体育遊び研究所とは

若木保育園 (長崎県 加津佐町)

ジャン グラミング

ノーベル賞受賞したマイクロファイナンス機関 グラミン銀行は1983年、ムハマド・ユヌス氏がバングラデシュで創業した。 これまで金融サービスを受けられなかった、貧しい農民に少額融資を行い、生計の向上を支援する事業を始めた。 グラミン銀行のウェブサイトによれば、グラミンのマイクロファイナンス手法はいま、アメリカやカナダ、フランスといった先進国を含め世界58カ国に広がっているという。 ユヌス氏とグラミン銀行は2006年、ノーベル平和賞を受賞。 グラミン銀行のような少額融資を行う機関は、マイクロファイナンス機関と呼ばれている。 グラミン・アメリカが活動を始めたのは2008年のことだ。 金融サービスを受けられない人たちを対象に、貧困からの脱出を支援する。 財務官僚として、アフリカ開発銀行の理事、世界銀行の日本政府代表理事などを務めてきた菅さんは、グラミン・アメリカのモデルを日本に持ち込みたいと考え、2014年7月には著書『構想 グラミン日本』も出版している。 グラミン日本の設立準備を進める菅正広さん。 撮影:小島寛明 無担保でも貸し倒れが起きにくい仕組み グラミンの融資モデルには特徴がある。 とくに、無担保でもきちんと返済を続けてもらうため、さまざまな工夫が凝らされている。 融資を受けたい人は、5人1組の互助グループをつくる。 最初に、5人のうち2人が融資を受け、最初の2人の返済状況によって、残りの3人が融資を受けられるかが決まる。 この仕組みにより、5人の中で交流が生まれ、それぞれが事業や仕事に意欲を持って取り組み、励ましあって返済を続けていく関係が生まれる。 グループ内で返済できない人が出ても、他の人が返済する「連帯保証」の責任は負わない。 融資額の上限は少額からスタートし、返済がスムーズに続けば、融資可能額は徐々に引き上げられる。 グラミン日本では、上限20万円からのスタートを想定している。 融資を受ける際には事前に、お金との付き合い方、家計の見直し方などを学んでもらう勉強会への出席が義務付けられる。 融資を受けている間は週ごとに少額の返済を続け、毎週のミーティングへの参加が求められる。 融資の対象者は主に、貧困ライン以下で生活する人たちで、働く意欲、能力がある人。 「例えば、障がいのある人は働く能力がないと考えられがちだが、数学的な能力が高いとか、決まった作業を繰り返すのが得意とか、それぞれに特性がある。 そういった特性も大事にしていく」(菅さん)という。 小さな事業を始める、副業を始める、フリーランスとして自分で仕事を請け負う、就職に備えて学校で勉強するなど、所得を生む取り組みが融資の対象となる。 一方で、生活の資金には融資しない。 人間は簡単に貧困に陥ってしまう 日本ではシングルマザーの世帯を中心に、ひとり親世帯の貧困が深刻だ。 厚生労働省が実施した国民生活基礎調査では、貧困層の割合を把握する指標として可処分所得を採用しており、2015年の日本の貧困ラインは122万円。 相対貧困率は15. 6%となっている。 大人が1人の世帯については、2015年の調査で50. 1985年以降、ひとり親世帯の過半が貧困ラインを下回る状況は続いている。 菅さんは「生きていれば、配偶者との離別、死別、事故や病気などさまざまなアクシデントが起こる。 ちょっとしたことが重なれば、人間は弱いから簡単に貧困に陥ってしまう。 だから、貧困を自分の問題として捉える必要がある」と話す。 グラミン・アメリカも、女性の支援に力を入れている。 グラミン・アメリカによれば、10年間で約9万5千人を対象に、7. 6億ドルの融資実績を重ね、9万9750件の雇用を創出したという。 グラミン・アメリカで融資を受けた人が始めた屋台。 提供:菅正広さん 2017年2月、ユヌス氏が来日した際に、グラミン日本の設立について合意。 8月には、一般社団法人グラミン日本準備機構を設立した。 現在、7億円を目標に出資を募っている。 2018年夏の事業開始後、5年で黒字化を目指す。 日本で、貧困ラインを下回る水準で暮らす人が、20万円からはじめる少額融資をきっかけに、どうすれば持続可能な生業を持ち、暮らしていくことができるのか ——。 制度を設計するうえで議論すべき課題は多い。 菅さんは、就労支援・生活支援などの分野で活動するさまざまな団体と協業することで、実現したいと考えている。 「生活は困窮していても前向きに生きる人たちを、どう支えていくか。 日本の実態に合った仕組みを模索していく」 (文・小島寛明).

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【神河】関西初!?古民家でグランピング。「グラミンカ」に宿泊して非日常を体験!

ジャン グラミング

ノーベル賞受賞したマイクロファイナンス機関 グラミン銀行は1983年、ムハマド・ユヌス氏がバングラデシュで創業した。 これまで金融サービスを受けられなかった、貧しい農民に少額融資を行い、生計の向上を支援する事業を始めた。 グラミン銀行のウェブサイトによれば、グラミンのマイクロファイナンス手法はいま、アメリカやカナダ、フランスといった先進国を含め世界58カ国に広がっているという。 ユヌス氏とグラミン銀行は2006年、ノーベル平和賞を受賞。 グラミン銀行のような少額融資を行う機関は、マイクロファイナンス機関と呼ばれている。 グラミン・アメリカが活動を始めたのは2008年のことだ。 金融サービスを受けられない人たちを対象に、貧困からの脱出を支援する。 財務官僚として、アフリカ開発銀行の理事、世界銀行の日本政府代表理事などを務めてきた菅さんは、グラミン・アメリカのモデルを日本に持ち込みたいと考え、2014年7月には著書『構想 グラミン日本』も出版している。 グラミン日本の設立準備を進める菅正広さん。 撮影:小島寛明 無担保でも貸し倒れが起きにくい仕組み グラミンの融資モデルには特徴がある。 とくに、無担保でもきちんと返済を続けてもらうため、さまざまな工夫が凝らされている。 融資を受けたい人は、5人1組の互助グループをつくる。 最初に、5人のうち2人が融資を受け、最初の2人の返済状況によって、残りの3人が融資を受けられるかが決まる。 この仕組みにより、5人の中で交流が生まれ、それぞれが事業や仕事に意欲を持って取り組み、励ましあって返済を続けていく関係が生まれる。 グループ内で返済できない人が出ても、他の人が返済する「連帯保証」の責任は負わない。 融資額の上限は少額からスタートし、返済がスムーズに続けば、融資可能額は徐々に引き上げられる。 グラミン日本では、上限20万円からのスタートを想定している。 融資を受ける際には事前に、お金との付き合い方、家計の見直し方などを学んでもらう勉強会への出席が義務付けられる。 融資を受けている間は週ごとに少額の返済を続け、毎週のミーティングへの参加が求められる。 融資の対象者は主に、貧困ライン以下で生活する人たちで、働く意欲、能力がある人。 「例えば、障がいのある人は働く能力がないと考えられがちだが、数学的な能力が高いとか、決まった作業を繰り返すのが得意とか、それぞれに特性がある。 そういった特性も大事にしていく」(菅さん)という。 小さな事業を始める、副業を始める、フリーランスとして自分で仕事を請け負う、就職に備えて学校で勉強するなど、所得を生む取り組みが融資の対象となる。 一方で、生活の資金には融資しない。 人間は簡単に貧困に陥ってしまう 日本ではシングルマザーの世帯を中心に、ひとり親世帯の貧困が深刻だ。 厚生労働省が実施した国民生活基礎調査では、貧困層の割合を把握する指標として可処分所得を採用しており、2015年の日本の貧困ラインは122万円。 相対貧困率は15. 6%となっている。 大人が1人の世帯については、2015年の調査で50. 1985年以降、ひとり親世帯の過半が貧困ラインを下回る状況は続いている。 菅さんは「生きていれば、配偶者との離別、死別、事故や病気などさまざまなアクシデントが起こる。 ちょっとしたことが重なれば、人間は弱いから簡単に貧困に陥ってしまう。 だから、貧困を自分の問題として捉える必要がある」と話す。 グラミン・アメリカも、女性の支援に力を入れている。 グラミン・アメリカによれば、10年間で約9万5千人を対象に、7. 6億ドルの融資実績を重ね、9万9750件の雇用を創出したという。 グラミン・アメリカで融資を受けた人が始めた屋台。 提供:菅正広さん 2017年2月、ユヌス氏が来日した際に、グラミン日本の設立について合意。 8月には、一般社団法人グラミン日本準備機構を設立した。 現在、7億円を目標に出資を募っている。 2018年夏の事業開始後、5年で黒字化を目指す。 日本で、貧困ラインを下回る水準で暮らす人が、20万円からはじめる少額融資をきっかけに、どうすれば持続可能な生業を持ち、暮らしていくことができるのか ——。 制度を設計するうえで議論すべき課題は多い。 菅さんは、就労支援・生活支援などの分野で活動するさまざまな団体と協業することで、実現したいと考えている。 「生活は困窮していても前向きに生きる人たちを、どう支えていくか。 日本の実態に合った仕組みを模索していく」 (文・小島寛明).

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元財務官僚がグラミン銀行と挑む日本の貧困——根付くかマイクロファイナンス

ジャン グラミング

社会課題の解決と経済的合理性を同時に実現する仕組みを考える バングラデシュで誕生したグラミン銀行の日本版であるグラミン日本は、働く意欲があるにもかかわらず、苦しい生活を余儀なくされているシングルマザーやワーキングプアといった人たちに対して、低利・無担保で少額の融資を行っている、日本初のマイクロファイナンス機関です。 「貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会を実現したい」。 グラミン日本はそんな思いを形にすべく、2018年に発足しました。 いわゆる「生活資金」ではなく、「起業や就労の準備のためのお金」を融資するのが大きな特徴です。 従来のシステムでは融資の対象になり得なかった人たちが、貧困や生活困窮から脱け出すだけでなく、自立し、その生活を持続できるよう支援するのが狙いです。 グラミン日本の理念や事業について初めて耳にした時の印象を、PwCの安井はこう振り返ります。 「最初から、胸にストンと落ちる感覚がありました。 それには二つの背景があって、一つは、世界で今起こっているグローバルメガトレンドが関係しています。 この大きな潮流は、多くの企業に成長機会を与える一方で、さまざまな社会課題を顕在化させました。 これからは、経済的合理性を追求しながら、同時に社会課題を解決することが日本企業にも求められていて、それはPwCが社会の中で存在価値を示していく上で重要であると、ここ数年来ずっと考えていました。 もう一つの背景は、われわれのクライアントである多くの日本企業が、生き残りをかけてさまざまなイノベーションに挑戦しながらも、非常に苦戦しているという現状があることです。 その状況を打破するためには、社会課題という切り口が『よい触媒』になるのではないかと考えていました。 つまり、社会課題をイノベーションを促す軸として捉え、その課題解決に本業を通じて取り組むことが、企業にとって活性化の起爆剤になるのではないかということです。 そのタイミングでグラミン日本の百野さんから、『いろいろな企業を巻き込んで、この活動を加速させたい』という話をいただきました。 われわれがグラミン日本や他企業とともにこの活動に取り組むことで、社会により大きなインパクトを残すことができるのではと考えました」 日本の貧困課題について企業とともに考える、SDGsコンソーシアムを設立 「形だけの支援にしたくないと思っています。 初めてグラミン日本の資料に目を通した時、バングラデシュでのグラミン銀行の活動を知って、思わず涙が流れました。 普段、理詰めで左脳をフル回転させて働いている身としては、これは驚くべき体験でした。 このことから、多くの企業を巻き込んでいくためには、まずは企業の経営層が、『衝撃』や『感動』を味わう機会を作り出すことが重要だと考えるようになりました」と安井は述べています。 2019年1月、PwCはグラミン日本とともに、貧困の解決に向けてアクションを起こす共同事業体「SDGsコンソーシアム」を設立しました。 SDGs(持続可能な開発目標)がまず掲げている目標は、「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」ことで、グラミン日本の理念と一致しています。 また貧困は、SDGs内の目標(1. 「貧困をなくそう」)だけでなく、他のさまざまな課題とも関連しており、原因の解消と並行して、その影響を低減することが必要です。 そこでグラミン日本とPwCは、SDGsの名を冠したコンソーシアムを立ち上げ、企業の持つさまざまな知見を生かし、日本の貧困の構造的課題や、企業が貧困の解決に取り組む意義などについて議論する場を設けることにしました。 日本は先進国とされていますが、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2016年度)によると相対的貧困率は15. 7%とされ、国民の6人に1人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされているという計算です。 グラミン日本の菅 氏は「貧困はなかなか表に現れにくく、人や地域によってその考え方に大きなギャップがありますが、格差は日本でも徐々に拡大しており、明日はわが身の問題と言えます」と語っています。 によれば、17の目標のうち、市民が重要と考える目標と企業が重視する目標には乖離がある、という結果が出ています。 そのうちの一つである貧困問題は、行政や企業、市民が一丸となって取り組むべき大きな課題ですが、調査結果を見ると、市民が高い関心を示す一方で、企業の関心は低くなっています。 これは、貧困をめぐる大きな課題の一つと言えるでしょう。 菅 氏は「このようなギャップが今回のコンソーシアムの場を通じて埋められていくとともに、これからは貧困の問題に取り組むことが自社のビジネスチャンスにもつながる、という認識を多くの企業に共有していただけることを期待しています」と述べています。 また、グラミン日本で理事を務める百野 氏も、SDGsコンソーシアムの手応えを次のように語っています。 「企業の方に現状を説明し、貧困問題をともに解決していきましょうという話をすると、総論では大抵の方が賛成してくれます。 しかし、具体的なアクションを起こす段になると、何をしてよいか分からないという反応がほとんどです。 このような思いのもと、グラミン日本とPwCは2019年1月28日、第1回SDGsコンソーシアムを開催しました。 「当日は66名にご参加いただき、貧困の現状と、解決に向けた活動の内容を紹介することができました。 これはわれわれにとって大きな成果だと感じています。 PwCの皆さまには、コンソーシアムの立ち上げに際してさまざまなバックデータとプロの情報分析力を提供していただきました。 それによって実効性が高い枠組みを構築できたことに、大変感謝しています」と百野 氏は語っています。 グラミン日本とPwCがこれから目指していくもの 「大きく考えて、小さいことから始める」。 これは、グラミン銀行の創始者であるムハマド・ユヌス 氏がよく口にするという言葉です。 最初から完璧を求めるのではなく、まずは小さく始めることが大事という教えですが、SDGsコンソーシアムもこの言葉にならい、小さなスタートを切りました。 「目指すゴールを思い描きながら、それを実現するための具体的なアクションを一つ一つ考えていく。 これが自分たちの得意とするところだと思っています。 グラミン日本が実現しようとしていることをいかに確実に前に進めるか、加速させていくかという部分で、これからも私たちの専門性を生かしていきたいと考えています」 そう話すのは、プロジェクトメンバーであるPwCの間世田です。 「既にいくつかの具体的なアクションプランを走らせていますが、中でも特に重要と考えているのが、少額融資をした後のサポート体制です。 これがしっかり準備できていないと、仮に先進国である日本で20万円の融資を受けても、自力で貧困から脱却するのは難しいと思っています。 今後は企業とのコラボレーションにもさらに力を入れ、起業ではなく就業を希望する融資対象者に対しても、収入の増加と生活レベルの向上を具体的にイメージできるステップを提案できるようにしたいと考えています」。 また、同じくコンソーシアムの立ち上げに携わったPwCの原田は、「グラミン日本の活動が今後も長く続き、そして大きく広がっていくためには、まず誰にとっても分かりやすい成功事例を作って、それを示すことが必要です。 事例が一つでもあると、コンソーシアムのあり方が明確かつ分かりやすくなるはずなので、できるだけ早く、結果を出したいと思います」と決意を述べています。 「グラミン日本の目指す社会に共感し、参画する企業を増やしていくためには、これまでとは別のアプローチを取ることが重要です」と安井は述べています。 「企業にかかわりを促すためには、利益をしっかり追求する、マネタイズ戦略を考えることも大事です。 すなわち社会貢献と利益のどちらか一方に肩入れするのではなく、両方を同時に実現する仕組みが重要なのです。 今後は、周りから批判されたくない、競合に遅れを取りたくないなどの消極的な考えから貧困問題に関心を持とうとする企業についても、われわれならではの方法でアプローチしていければと考えています」。 今回のPwCの支援について、菅 氏は「大量のデータから有益な情報を取り出す洞察力や分析力で大いに貢献してくれたことに、たいへん感謝しています」と述べています。 「どういう視点から訴えかければ企業の協力を仰ぎやすいかといったアドバイスが、実績や経験に基づいているので、非常に参考になりました。 こうしたコンサルタントとしての専門スキルをプロボノで提供していただけたことを、本当にありがたく思っています。 今日、特にうれしく感じたのは、安井さんがグラミンの活動内容を聞いて涙を流してくれたというお話です。 支援に対するパッションが伝わってきました。 信頼を大事にする者同士、この先もパートナーシップを通じてよりよい社会をともに実現していければと思います」。

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